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コトバにできないことも、コトバに。

【継続する技術】SNS中毒だった私が30日のSNS断ちに成功して思うこと

毎日の時間の使い方に、自信がなかった。

読みたい小説や観たい映画、やってみたいことはスマホのTodoリストに優先順位までつけて記録されている。娯楽作品であれば自分の琴線に触れること間違いなし、その作品を味わったという経験自体が人生に焼き付くような、そんな意義のある時間の使い方になる。
ビジネス書や新書の類でも、人生を豊かにしてくれるはず。ドイツ語、きれいな字の書き方、印象派の歴史。
どんなことでも学べば学びになる。

それなのに、自分の時間の使い方はひどいもので、暇さえあればSNSばかり見ていた。
渡しの時間を貪りに貪った三大巨塔がYouTube・はてなブックマーク・ツイまる(バズったツイートのまとめサイト)だ。

休日であれば、起きてベッドで夜こだわりながらはてなブックマークとツイまるを見る。そのあとはYouTubeをしばらく見る。そうして時間が経過すると、はてなブックマークとツイまるのホットトピックが少し更新されているので見る。はてなブックマーク。ツイまる。YouTube。はてなブックマーク。ツイまる。YouTube。とんでもない無限コンボが決まってしまうのだ。

平日仕事から帰ってきても、最初に開くのははてなブックマーク。カフェで時間を潰そうと思って、カフェラテのお供にツイまる。
生活のありとあらゆる時間にこれらのSNSがはいりこんでいた。
SNSを眺めている間にできたスキマ時間でSNSを眺める。
生活の大抵の時間が明らかにコントロール下にないことによる不安が押し寄せた。

 

もちろん何度もSNS断ちにトライした。
「今日からSNSを一切見ない」

そんな決断も1週間でなかったことにされ、一切という言葉が空虚を響きを帯びる。
最初の数日は意思力が続くのだが、疲れて何も考えたくない時に、ふとSNSを開いてしまう。そこからは早い。
ダムの壁にあいたたった一つのひびがいともたやすく決壊をもたらすように。

 

こうしてSNS断ちを習慣にしようとして失敗してを繰り返して、そんな自分を本気で変えよう、そう思ったのが30日と少し前。そのためにインストールしたのが継続する技術というアプリだ。

世の中には習慣形成を支援することを目的としたアプリが多くある。

その多くは取り組みたい習慣を設定する機能と毎日達成できたかを記録する機能で構成されている。

継続する技術の最大の特徴かつ数多ある習慣化アプリとの差別化要因となっているのが「1期間に設定できる習慣が1つのみ」という制約。
正直言ってもどかしい。
毎日5分掃除する、だとか英語のリスニングを5分するだとか、生活に必ずプラスをもたらすであろう習慣化したい行動が頭の中にわんさかある。

だというのになぜ1ヶ月も待つ必要がある?
同時並行で進めてしまえばいいじゃないか?と思わないではない。

しかしこの制約が、成果を生むドライバーになっているとこの30日を過ごしてみて思う。

他にも継続する技術にはストイックな要素が多数ある。
たとえば一度習慣を設定するとその名前を変更することすらできない。また他の習慣に切り替えようとすると、そこまでに貯めた記録はすべてパーになってしまう。

やったかどうかの記録は前日分と当日分しかできず遡って記録ができない仕様なので、一切ズルができない。本当はやってなかったけど過去の1週間分やったことにしちゃおうなんて不届き者に鉄拳をくらわす強硬姿勢だ。

ユーザーはただただ誠実に、毎日このアプリを開きボタンを押して本日分の習慣をDone!にするしかできることがない。

 

SNS断ち前日、目いっぱいに「最後の晩餐」を楽しんだ。
これでもかというくらいコンテンツや動画を見て、しばらくそれらを享受できない侘びしさを紛らわせようとした。

SNS断ちを開始して最初の1週間ほどはなかなか辛かった。どんなトピックがはてなブックマークのトップを飾り、どんな気の利いたツイートがツイまるに並び、日常系YouTuberパーカーさんが今日はどんな料理を自炊しているか、気になって仕方がなかった。
無意識にはてなブックマークを開いてしまったことも数度あった。そのたびに慌ててはてなブックマークのタブをブラウザから削除する。
気づいたが、Googleに「はてブ」と入力してEnter→検索結果のはてなブックマークをタップまでは、脳というよりも体が覚えている、反射のような自動作業なのだ。

最初のヤマである1週間を乗り切り、2,3週目はあまりしんどくなかった。とはいえここで油断をすると足元をすくわれるのも知っていた。

そうして迎えたラスト4週目。何の辛さもなかった。SNSの楽しみを知ることがなければ、それを絶つ苦しみもなかっただろうに、とよく思っていたが、この時にはSNSを楽しんでいた日々を思い出すことも特になかった。

そして今日ついに30日間のSNS断ちに成功した。
数年間SNSという沼に全身どっぷり浸かり続けていたことを考えると快挙と言える。

30日の継続を祝う画面を見たとき達成感で満たされる思いもあった。だが、こんなものかというあっけなさもあった。実際最後の10日間ほどは全くSNSのことが頭になかったので、その間継続する技術のアプリを開いてボタンをタップするだけの作業だった。

達成感とあっけなさはコインの裏と表のような関係にあるのかもしれない。人が何かを達成するとき、その人はその何かを達成することで大喜びできるレベルにいつもないのだ。

今後については1週間に一度程度はSNSを見るかもしれないが、毎日の生活におけるSNS閲覧は引き続きやめていこうと思う、というか、既に生活には存在していないもの、という扱いなのだけど。

もちろん、悪習慣は数年越しに培ったものなので案外この30日間のチャレンジでは退治できていないのかもしれない(ほら13巻で倒したはずのボスが25巻でパワーアップして出てくるお決まりの展開だ)。
でも、そうなったとしてもこの継続する技術のアプリで学んだ「何としてでも成し遂げたい一つのことにフォーカスする」ことさえ忘れなければまた退治できるはずという根拠のない自信も持ち合わせている。

30日間のチャレンジが終わったので、明日から取り組む次の習慣を設定した。内容はモーニングメソッド。
また他のブログ記事で詳細書きたいと思うが、朝の過ごし方がその1日のクオリティを規定するという感覚が常々あったので、これから30日という時間を費やして我が生活に朝の理想的な過ごし方をインストールする価値があると感じたのだ。

習慣の設定画面に入って「モーニングメソッドをやる」と文字を打つ。名前の変更すらできないので誤字などがないか少し緊張する。
登録完了後、メインの画面に堂々と表示された「モーニングメソッドをやる」は30日後の自分への約束だ。

継続する技術

継続する技術

  • Daisuke Toda
  • ヘルスケア/フィットネス
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